【10月22日 AFP】セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)の欠場により、女子テニスのシーズン最終戦WTAツアー選手権(BNP Paribas WTA Finals Singapore 2016)の注目の一戦は立ち消えとなった。しかし、一方で今年躍進を果たしたアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)にとっては、世界ランク1位への称賛をより強めるものとなった。

 シンガポールで年間上位8人が争う今大会でどのような結果に終わったとしても、ケルバーは年間の世界ランキング1位のトロフィーを贈られることが決まっている。唯一その座を奪い返せる立場にいたセレーナだが、肩の負傷により大会の欠場を表明している。

 全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)と全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)を制し、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)とリオデジャネイロ五輪では決勝に進出するというキャリア最高の成績を残したケルバーは、1975年にコンピューター方式のランキングが導入されてから、年間ランキング1位を獲得する史上12人目の選手となる。

 年間1位を手中に収めた今、ケルバーはツアー選手権のビリー・ジーン・キング・トロフィー(Billie Jean King Trophy)獲得を狙う。世界のトップ8選手のみが出場を許されるツアー選手権は、四大大会(グランドスラム)を除けば1年間で最も重要な大会となっている。

 優勝を果たして有終の美を飾りたいケルバーは、大会制覇の本命に挙げられているが、昨年優勝のアニエスカ・ラドワンスカ(Agnieszka Radwanska、ポーランド)や全仏オープンテニス(French Open 2016)を制したガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)を筆頭に、強敵が待ち受けている。

 ムグルサは昨年のウィンブルドンで決勝に進むと、ツアー選手権で準決勝に駒を進めるなどブレーク。今年はセレーナを全仏決勝で退けて自身初の四大大会制覇を遂げ、さらに前進した。

 この他、2年前のツアー選手権で準優勝を果たしたシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)や全米準決勝で勝利を飾ってセレーナを世界ランク1位から引きずり下ろしたカロリーナ・プリスコバ(Karolina Pliskova、チェコ)、さらにマディソン・キーズ(Madison Keys、米国)やドミニカ・チブルコバ(Dominika Cibulkova、スロバキア)の大会出場が決まっている。

 大会は23日に開幕を迎えるものの、出場枠の最後の一つはいまだに決まっていない。ジョアンナ・コンタ(Johanna Konta、英国)が暫定的に出場権を確保してはいるものの、現在ロシア・モスクワ(Moscow)で開催中のクレムリン・カップ(Kremlin Cup 2016)で決勝に進んだスベトラナ・クズネツォワ(Svetlana Kuznetsova、ロシア)が優勝すれば、その座を奪われる可能性もある。(c)AFP