【10月19日 AFP】エクアドル政府は18日、英ロンドン(London)にある同国の大使館に滞在を続けている内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者、ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者のインターネット回線を切断したことを明らかにした。米大統領選に影響を与えかねない情報が「ウィキリークス」から公開されるのを防ぐことが狙いとみられる。

 ウィキリークスはこの数週間、民主党候補、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官の陣営からハッキングで流出した電子メールを大量に公開しており、不利益となる電子メールの暴露を受け、同陣営は共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を利する意図があるとしてウィキリークスを批判していた。

 今回の件についてエクアドル外務省は声明を発表し、「エクアドル政府は他国の内政不干渉の原則を尊重する。わが政府としては、国外の選挙過程には干渉せず、特定の候補者を支持することもしない」考えであることから、「一時的に」大使館の通信状況を制限することを決定したと述べている。

 米政府は、民主党やその他の政治団体がサイバー攻撃を受け、電子メールが流出した問題について、ロシア政府の支援を受けたハッカー集団によるものだとの見解を公式に発表し、糾弾していた。

 ウィキリークスは17日、アサンジ容疑者のインターネット回線を切断したとエクアドルを非難する一方で、「複数の米政府情報筋」の話として、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官の指示で行われたとの考えを示していた。

 しかし、米国務省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、「ウィキリークスは米政府にとって長年の懸念材料だが、ケリー国務長官もしくは国務省がインターネット回線の切断に関わったという見方は誤りだ」として、ウィキリークス側の言い分を否定した。(c)AFP/Santiago PIEDRA SILVA