■深宇宙への構想

 深宇宙への数か月から数年にわたる長期ミッションで、宇宙飛行士らに供給するのに十分な量の食料と水を宇宙空間に持ち込むことが輸送上の重要課題の一つとなっている。だが、これを実現するための研究はこれまでほとんどなされていない。

 オバマ大統領は、アポロ11号(Apollo 11)のニール・アームストロング(Neil Armstrong)宇宙飛行士が1969年7月20日に月面に降り立った際に発した言葉(これは1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である)をもじり、「そこ(火星)に到達するには偉大な飛躍が必要だ」と記している。「だが最初の、小さな歩みは、わが国の火星世代の学生たちが毎日、教室に足を踏み入れる際に刻まれている」

 オバマ大統領は2010年4月、地球の隣の惑星である火星に、2030年代までに人間を送り込むことを掲げる自らの宇宙政策の概要を示していた。

 NASAは現在、大出力ロケット「スペース・ローンチ・システム(Space Launch SystemSLS)」とカプセル型宇宙船「オリオン(Orion)」の開発を進めている。人が搭乗しないSLSの最初の打ち上げは、2018年に予定されている。

 また火星にははるかに及ばないものの月の軌道を越えて宇宙空間に人間を送り込む米国のミッションは、2020年代での実施が計画されている。(c)AFP/Jerome CARTILLIER with Kerry SHERIDAN in Miami