【10月5日 AFP】(更新)米経済誌フォーブス(Forbes)は4日、2016年米長者番付を発表し、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の資産総額が前年比で8億ドル(約820億円)減り、順位を大きく下げたと報じた。米大統領選で自身の豊富な資金力を売りにしている同氏だが、米長者番付では400人中156位となり、35位の下落となった。

 同誌によると、トランプ氏の資産は推定45億ドル(約4630億円)から、37億ドル(約3800億円)に落ち込んだ。同誌が精査したトランプ氏の資産28件のうち、ニューヨーク(New York)五番街のトランプタワー(Trump Tower)とフロリダ(Florid)州パームビーチ(Palm Beach)のリゾート施設「マーアーラゴ・クラブ(Mar-a-Lago Club)」を含む18物件の価値が下落したという。

 トランプ氏はまた、選挙運動として700万ドル(約7億2000万円)を投じている他、4800万ドル(約49億円)を追加で融資している。この融資については、回収できないとみられるとフォーブス誌は伝えている。

 その一方で、同誌は今回、移民のサクセスストーリーに焦点を当て、長者番付に入った米国帰化市民が過去最高の42人に上ったことを明らかにした。全人口ではわずか6%だが、番付リストでは10.5%を占めたかたちだ。

 移民問題をめぐっては、トランプ氏はメキシコとの南部国境に壁を築き、不法移民数百万人を強制退去させるとしており、これを選挙運動の中心に据えている。

 2016年長者番付に入った億万長者総資産の合計は2兆4000億ドル(約247兆円)で前年の2兆3400億ドル(約241兆円)を上回り、過去最高となった。フォーブス長者番付400人の1人あたり平均も60億ドル(約6200億円)を超え、これまでの最高を記録した。

 米マイクロソフト(Microsoft)の共同創業者、ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が、推定資産総額810億ドル(約8兆3000億円)で、23年連続1位だった。(c)AFP