【10月4日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は3日、米国との間で結んだ兵器級余剰プルトニウムの処分に関する合意を停止する大統領令を出した。米国の「非友好的な行動」に対する措置だとしている。

 2000年に署名されたこの合意では、核兵器を解体した際に出るプルトニウムを米露両国が34トンずつ処理し、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料に転用することなどが決まり、核軍縮で重要な一歩になるとみられていた。両国は2010年にも合意文書に署名している。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は声明で、今回の決定はウクライナ情勢をめぐるロシアへの制裁やロシア国境付近での北大西洋条約機構(NATO)軍の増強など、米国の敵対的な行動に対処するために「不可欠」なものだと主張。さらに「われわれが下した決定は米国への警告だ」とも述べた。

 プーチン大統領は先に、米国は国防能力を保持できるように、合意を履行していないと批判していた。(c)AFP/Maria ANTONOVA