【9月28日 AFP】英デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙は27日、イングランド・プレミアリーグで指揮を執った経験のある現役を含む8人の監督が、選手の移籍の見返りに報酬を受け取っていたと報じた。同紙の一連の報道により、イングランド代表のサム・アラダイス(Sam Allardyce)監督は辞任に追い込まれている。

 不正行為や選手との契約の際に支払われる「賄賂」の使用について、3人の代理人が話している場面が映像でとらえられており、テレグラフはプレミアリーグで指揮を執った現役を含む8人と、チャンピオンシップ(2部)の2人の監督が関与したと伝えている。

 イタリア人代理人のジュセッペ・パリアーラ(Giuseppe Pagliara)氏は、監督のためにスイスに銀行口座を開設し、不正支払いを隠蔽(いんぺい)するための仲介人を務めたと話しており、テレグラフは潜入取材した記者とパリアーラ氏がレストランで昼食をともにした際、「ずっと頼りにしてきたことが一つある。それはゼネラルマネジャー(GM)の欲深さだ」と語ったと伝えた。

 その中でパリアーラ氏は、かつてプレミアリーグで指揮を執った監督が、賄賂を受け取ることができるかをたずねた際、隠語を使っていたことも明かしている。

 代理人のダックス・プライス(Dax Price)氏は、ある監督が選手に昇給の見返りとして、自身に月々4000ポンド(約53万円)を支払わせていたと明かし、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でプレーした経歴を持つスコット・マクガーヴェイ(Scott McGarvey)氏は、選手の移籍が成立すると、協力者にモナコの口座を通じて3万ポンド(約395万円)を支払ったと話している。

 テレグラフは不正に関与した疑いのある指揮官の名前を公表していないが、3人の代理人が同じ名前を口にしたと伝えており、イングランドサッカー協会(FA)と警察に映像を提供したと明かしている。同紙はまた、パリアーラ氏が監督への金銭の支払いを否定し、マクガーヴェイ氏は広報担当者がいかなる不正行為の存在も否定しており、プライス氏は現段階でのコメントを拒否したと伝えている。

 テレグラフはこれに先立ち、イングランド代表監督のアラダイス氏がサッカー界では禁止されている選手の第三者保有について話している証拠を公開。その結果、アラダイス氏は辞任に追い込まれている。

 その中でアラダイス氏は、FAや前任者のロイ・ホジソン(Roy Hodgson)氏を批判しており、FAの判断によりわずか就任後67日で辞任している。(c)AFP