【9月23日 AFP】カナダでジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相の支持を受け、同国初のアフガニスタン生まれの議員として入閣したマリアム・モンセフ(Maryam Monsef)民主機構相(31)が22日、実際はイラン生まれであることが分かったことを明かし、ショックを受けたと語った。

 トルドー内閣の最年少閣僚であるモンセフ氏は、アフガニスタンから難民として、安全な新しい生活の地をカナダに求め、時にはロバに乗り、世界を旅してきた。聡明で若いモンセフ氏を、トルドー首相率いる自由党(Liberal Party)はカナダの多様性の強さの象徴として持ち上げてきた。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領も6月にオタワ(Ottawa)を訪れた際、モンセフ氏の話題に触れていた。

 モンセフ氏は声明で、公職に就いて以来の語り草と矛盾するこの情報は、母親が同氏と2人の姉妹に隠していたのだと述べた。同氏はアフガニスタンで生まれたと「これまでずっと信じ込まされていた」が、実際に生まれたのはアフガニスタン国境から約200キロのイランのマシュハド(Mashhad)だった。

 カナダ紙グローブ・アンド・メール(The Globe and Mail)がモンセフ氏の家族の過去について調査したのを受け、同氏は母親に問いただしたという。

 モンセフ氏がイラン生まれを明かさなかった理由を尋ねると、母親は、アフガニスタン人の両親に生まれた子どもはアフガニスタン人で、イランの法律ではイランで出生してもイラン人とみなされないと説明したという。

 さらにモンセフ氏の説明によると、両親はふるさとのアフガニスタン・ヘラート(Herat)の戦闘を逃れ、国境を越えてイランに安全な地を見つけた。数回の行き来があり、父親が死亡した後、家族は最終的にアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)から逃れ、ロバに乗ってパキスタンのイスラマバード(Islamabad)に移動し、20年前にモントリオール(Montreal)にたどり着き、そこで難民申請した。(c)AFP