【9月20日 AFP】SANZAR(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアの3か国からなるラグビー連合協会)は20日、世界最高峰リーグの「スーパーラグビー(Super Rugby)」で多くの批判が集まったカンファレンス制の形式を来季も続行する一方で、試験的に木曜日の夜に試合を組むほか、午後キックオフの試合を増やす計画を打ち出した。

 SANZARは2016年シーズンから、新たに日本のサンウルブズ(Sunwolves)、アルゼンチンのジャガーズ(Jaguares)、そして南アフリカのキングズ(Southern Kings)が参戦して全18チームに拡大にしたことに伴い、カンファレンス制を導入した。

 しかし、16のタイムゾーンと4大陸にまたがるリーグへと巨大化した結果、実力の偏りや厳しい遠征日程、カンファレンスが4分割されたことによるシステムの複雑化など、問題が浮き彫りになっている。

 加えて、新規参入の3チームは成績不振にあえぎ、特にサンウルブズは全15戦で1勝しか挙げられなかった。

 SANZARのアンディ・マリノス(Andy Marinos)最高経営責任者(CEO)、2017年シーズンも現行フォーマットを変更しないと発表した上で、「新シーズンも熱戦が続き、大いに盛り上がるものになるだろう」と自信をみせた。

 マリノスCEOはまた、サンウルブズら3チームが来季は激しい戦いを繰り広げると予想しており、「この3チームは2016年の経験を生かして実力を発揮してくるはずだ。彼らの成長を引き続き楽しみにしている」とすると、「スーパーラグビーは、これからも世界で最も厳しい大会であり続ける」と語った。

 スーパーラグビーの2017年シーズン開幕戦は、来年2月23日にメルボルン・レベルズ(Melbourne Rebels、オーストラリア)が本拠地にブルーズ(Blues、ニュージーランド)を迎え、決勝は同8月5日に行われる。

 昨季はニュージーランドのチームとの対戦がなかったサンウルブズは、2月25日に東京で行われる初戦の相手が王者ハリケーンズ(Hurricanes、ニュージーランド)に決まり、厳しいシーズンの幕開けとなる。新シーズンのサンウルブズは、東京で4試合、シンガポールで3試合のホーム戦が組まれている。

 一方、南アフリカ勢同士による最初の地元ダービーは、ブルームフォンテーン(Bloemfontein)で行われるチーターズ(Central Cheetahs)対ライオンズ(Lions)の試合となっている。

 そのほか6月と7月には、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ(British and Irish Lions)のニュージーランド遠征など国際大会が組まれている影響で、スーパーラグビーは一節が分割して行われたり、短い休止期間が挟まれたりすることになる。

 オーストラリア・ラグビー協会(Australian Rugby UnionARU)によれば、第2節まで試験的に木曜日の夜に試合を実施することは、「ファンのために、スーパーラグビーが行われる週末の概念を拡大する」ことになるだろうとしている。さらに、午後の試合を増やす目的については、家族同士でより楽しめる試合にするためとされている。

 各チーム15試合を行うスーパーラグビーは、レギュラーシーズンとして、2回のバイウィーク(試合のない休みの週)を含む計17週にわたって行われる。そしてプレーオフに進出できるのは、各カンファレンスを制した4チームに加え、ワイルドカード4チームの計8チームとなっている。(c)AFP