【9月15日 AFP】配車アプリ大手の米ウーバー(Uber)は14日、ペンシルベニア(Pennsylvania)州ピッツバーグ(Pittsburgh)で自動運転車による試験的な配車サービスを開始した。交通に革命的な変化をもたらすとみられる自動運転車の実用化に向けて、デトロイト(Detroit)の自動車大手やシリコンバレー(Silicon Valley)の競合IT勢に先行した形だ。

 レーザーやカメラなどの各種センサーを搭載したウーバーの車がこの日、ピッツバーグの公道に繰り出した。使用されたのは米フォード・モーター(Ford Motor)の「フュージョン(Fusion)」のハイブリッド(HV)モデル。誰もハンドルを握っていない状態で、顧客を拾いに向かった。

 今回の画期的な試験サービスのため、ウーバーはピッツバーグの入り組んだ道路網で2年弱をかけて自動運転車の走行試験を繰り返してきた。サービス開始に先駆けて行われたデモ走行では、大半の状況でハンドルさばきは人と遜色がないことが証明された。

 ただ、現段階では顧客が自動運転車を呼んだ場合、ウーバーの技術者2人が同乗し、1人は難所などに差し掛かったときの操縦に備えて運転席に座り、もう1人は車両の状態を監視することになっている。

 ウーバーは目標時期を明らかにしていないが、同乗する技術者を1人に減らし、最終的には付き添いなしの完全自動運転を実現することを目指している。ウーバーは自動運転車の開発でフォードのほか、スウェーデンのボルボ(Volvo)と提携している。(c)AFP/Paul HANDLEY