【9月13日 AFP】アイルランド・オリンピック評議会(OCI)のパトリック・ヒッキー(Patrick Hickey)元会長は12日、リオデジャネイロ五輪のチケットの不正販売をめぐって自身にかかっている嫌疑について、「完全な潔白」だと主張した。

 先月17日に滞在先のホテルで逮捕されたヒッキー氏は、リオ五輪のチケットを数千ドルの価格で不正に転売したとされる容疑者の中で最も注目を集めていた。検察官によれば、闇市場で取引されたチケットの売り上げは約300万ドル(約3億円)に上るという。

 リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のバングー(Bangu)にある重犯罪刑務所に勾留されていた71歳のヒッキー氏は、健康上の理由で釈放されたが、同氏のパスポートは押収されたままで、現在もブラジル国内にとどまっている。

 ヒッキー氏はアイルランド・ダブリン(Dublin)を拠点にするPR会社を通じて声明を発表し、「ブラジル当局から、私が問われている罪についての正式な通知が届いた。ここで明確したいことは、今回の事件で私が自宅監禁になっているなど、メディアによる多くの報道は誤報であるということだ。すべての疑いに向き合い、そのいずれとも戦うつもりだ」とコメントした。

「私に現在かけられている疑惑に関しては完全に無実であり、数多くのスポーツ団体で自発的な貢献を果たし、生涯をかけて築き上げた名誉と人格を徹底的に守る」

 ヒッキー氏はまた、「ブラジルの司法制度を信じているし、すべての罪状から解放されると自信を持っている」としており、「私自身、私の妻、そして4人の子どもや5人の孫にとっては人生が変わるような経験をしてきた。最優先事項は私の健康を回復し、家族に一日でも早く会うことだ」と語った。

「アイルランド国内および世界中のスポーツ界から寄せられてきた数千人にも及ぶ人々からの手紙やメッセージ、メールには本当に励まされたし、恐縮している。事件の結論が出るまでは、この件に関してコメントを避ける」

 一方、アイルランド国内でも現在、ヒッキー氏とOCIがいかにして国際オリンピック委員会(IOC)から配分されたリオ五輪、2014年ソチ冬季五輪、2012年ロンドン五輪のチケットを処理していたか徹底的な調査が行われている。

 ヒッキー氏は暫定的にOCIの会長、欧州五輪委員会(EOC)会長およびIOCの意思決定に関わる理事の座から身を引いている。(c)AFP