【8月22日 AFP】ブラジルのリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)市警は21日、リオデジャネイロ五輪チケットの不正転売に関与した疑いで、アイルランド・オリンピック評議会(OCI)のメンバー3人のパスポートを差し押さえたと発表した。また同日未明の家宅捜索で、リオ五輪の選手村にあるアイルランド代表団の事務所からは、携帯電話やパソコンなどが押収されたという。

 今回のチケット不正転売事件をめぐっては、すでにアイルランド出身の国際オリンピック委員会(IOC)のメンバーであるパトリック・ヒッキー(Patrick Hickey)容疑者が拘束されて取り調べを受けており、勾留されているリオ市の刑務所で法廷審問を待っている。

 リオ当局は声明で、OCIメンバーであるケビン・キルティ(Kevin Kilty)氏、ダーモット・ヘニハン(Dermot Henihan)氏、スティーブン・マーティン(Stephen Martin)氏のパスポートを押収したと公表。一方のOCIも声明で、同評議会の事務所に保管されていた「選手」の家族や友人用だった未使用の五輪チケットが、リオ警察に押収されたことを明かした。

 OCIの声明によれば、「問題の3人は事情聴取のために地元警察へ出頭するように要請され」、3人はそれを「承諾した」とされている。リオ警察もまた、「今朝から行われている家宅捜索は、22日まで続けられる」としている。

 これに先だち、IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、ヒッキー容疑者が22日にもブラジルの裁判所に出廷する予定であると語った。同会長は詳細については明らかにしなかったものの、71歳のヒッキー容疑者は正式に起訴されるか、裁判所から保釈命令が出されるものとみられる。

 OCIおよび欧州五輪委員会(EOC)の会長を務めるヒッキー容疑者は17日に拘束され、チケットの搾取、アンブッシュ・マーケティング(便乗広告)への関与のほか、リオ五輪チケットを不当な高値で転売した疑いが持たれている。(c)AFP