【9月12日 AFP】オスカー女優のニコール・キッドマン(Nicole Kidman)さんが11日、もはやハリウッド(Hollywood)の時代は過去のもので、オンライン・ストリーミング時代に映画が生き残っていくために、これまで以上に映画祭が必要とされていると語った。

 カナダのトロント国際映画祭(Toronto International Film Festival)で、キッドマンさんはガース・デイビス(Garth Davis)監督の新作『ライオン(原題、Lion)』のプレミア上映後の記者会見で「もはやハリウッドはないものと思っている。私たちは世界中に散らばっていて、世界中で映画を作っている。今やハリウッドは過ぎ去った時代のもの。悲しいことではあるけれど」と述べた。

 数十年前まで米ロサンゼルスの一角にあるハリウッドといえば米映画産業の中心だった。米国に数ある映画制作会社は現在も依然として業界で強大な存在だが、映画制作は世界各地でのロケ撮影を特徴とする国際共同制作が一般的になりつつある。さらに過去10年の間にストリーミングサービスを利用し自宅で映画を楽しむ人が増え、レンタルビデオ店は減少、映画館は集客に苦心している。

 キッドマンさんは「映画を見出してもらうことがとても難しくなっているからこそ、いま重要なのは映画祭だと思う。小規模な作品、大手制作会社のものでない作品、スーパーヒーロー物でない作品へのあらゆる支援が必要だ」と訴えた。(c)AFP