【9月10日 AFP】米国歌演奏での起立を拒否して議論を呼んだ、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)に所属するQBコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)は、米同時多発攻撃からちょうど15年となる今月11日に、支持を集めることになるかもしれない。同日には、多数のNFLチームが今季の開幕初戦を迎える。

 キャパニックは、武器を持たない黒人が警官に相次いで殺害された一連の事件を受け、アフリカ系米国人の扱いに抗議するため、先月のプレシーズンゲームで米国歌「星条旗(The Star-Spangled Banner)」が演奏された際に立ち上がらなかった。

 論争の嵐を巻き起こした行動についてキャパニックは、「黒人や有色人を抑圧する国の国旗に誇りを示すために立ち上がることはない」とコメントしている。

 8日に行われたNFL開幕戦のデンバー・ブロンコス(Denver Broncos)対カロライナ・パンサーズ(Carolina Panthers)では、ブロンコスのブランドン・マーシャル(Brandon Marshall)が、ただ一人起立を拒否。また、シアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)のジェレミー・レーン(Jeremy Lane)やサッカー女子米国代表のミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)もキャパニックに賛同し、国歌演奏時にひざまずいている。

 11日にマイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)との開幕戦を迎えるシーホークスはチーム全体でメッセージを発信するとしているが、9月11日という日に米国旗を軽視する考えが、その行動を起こすかもしれない選手に再考を促した。

 シーホークスのレシーバー、ダグ・ボールドウィン(Doug Baldwin)はツイッター(Twitter)で、「人々を団結させたいという思いを示すため、僕らのチームは国と国旗に対して団結したデモ行為を行うつもりだ」と投稿した。

 ボールドウィンは、この週末に抗議行動を起こす計画を立てているのであれば、その思いの中に9月11日の要素を含めるべきだと考えている。

「たとえ9月11日でなかったとしても、抗議の大事な部分は人々に考えさせるようにすることだ」

「皮肉なことに、15年前の9月11日は米国の歴史で最も打撃を与えた日の一つになったが、あの日から米国は多分これまでにないほど一つにまとまった。しかし、今日ではその団結が見えにくくなっている」

「特別な日、とても意義深い日になるだろう。しかし、それと同時に、僕らが国をつくり上げていけるようになる明るい変化が訪れることを楽しみにしている」

(c)AFP