【9月8日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は7日、リオデジャネイロ・パラリンピックの開会式を欠席したトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長について、「現時点では」開催国ブラジルに行く予定はないと発表した。

 パラリンピックの開会式にIOCの会長が欠席するのは、1984年大会以来初めてのことで、ロシア選手の出場を全面的に禁止した国際パラリンピック委員会(IPC)との意見の相違が理由であるとの臆測が流れている。

 IOCはAFPの取材に対し、バッハ会長は先月死去したヴァルター・シェール(Walter Scheel)元西ドイツ大統領の葬儀に出席することになったため、「当初計画していた」開会式に参加できなくなったと回答。さらに「現時点では、会長がブラジルに向かう予定はない」と補足した。

 ブラジルのテレビ局グロボ(Globo)をはじめ地元メディアによれば、リオデジャネイロ五輪のチケットを不正販売した容疑で、先月17日にブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)の高級ホテルで逮捕されたアイルランド・オリンピック評議会(OCI)のパトリック・ヒッキー(Patrick Hickey)会長について、ブラジル当局がバッハ会長に聴取する意向を示していたとされている。

 この件についてもIOCは、「新聞の記事や、推定無罪の公算が大きいヒッキー氏に関する現在進行中の訴訟について、IOCはコメントできない」とすると、「IOCとしては、言葉を挟まないことで、この問題に協力するつもりだ」と述べるにとどまった。(c)AFP