【9月5日 AFP】(更新)全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)は4日、男子シングルス4回戦が行われ、大会第4シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)がリュカ・プイユ(Lucas Pouille、フランス)に1-6、6-2、4-6、6-3、6-7(6-8)で敗れる波乱が起きた。

 互いに2セットずつ奪って迎えた最終セット、第1ゲームでナダルが先にプイユからブレイクを奪い、勝利に近づいたようにも見えたが、第8ゲームでブレークバックを許した。直後の第9ゲームではブレークポイントを迎えたが生かすことができず、決着はタイブレークへともつれた。

 タイブレークでは先にプイユに3本のマッチポイントを握られた状態から一時は追いついたが、最後はプイユにフォアハンドウイナーを決められ終戦。試合を通じて48回ネットに出て、うち35回ポイントを獲得するなど攻撃的なプレーを見せたナダルだったがあと一歩及ばなかった。

 手首のけがの影響で全仏オープン(French Open 2016)を3回戦で棄権し、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)も欠場していたナダルは、今日の敗戦により2004年以降では初めて、シーズンを通して四大大会(グランドスラム)の全大会で準々決勝進出を逃すことになった。

 ナダルはフルセットの激闘になった試合を、「接戦だったし、何でも起こり得た」と振り返り、「最後まで戦った。より良くできた点もあったが、姿勢は間違っていなかったと思う。勝つためにはもう少し何か必要だったと思うけれど、今日はそれがなかった」とコメントした。

 4時間7分に及んだ試合を制し金星を挙げたプイユは第5セットのタイブレークについて、「6-3になった時は、OK、勝てると思っていたけど、6-6に並ばれてからは、そう考えられなくなった。まだ小さかったころ、アーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で行われる試合をよく見ていたけど、今その場に自分がいる」と喜びを明かした。

 一方敗れたナダルも、「もし肉体的に100パーセントの状態だったら、これからも前進するだけのエネルギーは持っているし、あと数年は良いシーズンが送れると信じている。練習し続けるモチベーションもあるけど、けがをする以前の状態に戻るには、多くの時間や、気力を費やすなど犠牲が必要とされる。今日は厳しい結果だけど、元のレベルに戻る必要がある。去年よりも、自分がありたい姿には近づけている。ATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2016)に出場できるように努力する」と前向きに語った。

 現在世界ランキング25位のプイユは、準々決勝で第10シードのガエル・モンフィス(Gael Monfils、フランス)と対戦する。モンフィスは同日行われた試合で、マルコス・バグダティス(Marcos Baghdatis、キプロス)に6-3、6-2、6-3で勝利している。

 全米オープンで自身3度目となる準々決勝進出を決めたモンフィスは、試合を通して9本のエースを記録し、相手のサービスゲームでは7度ブレーク奪取するなどバグダティスを圧倒した。現在世界ランキング12位のモンフィスは、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で行われた全米オープンの前哨戦シティ・オープン(Citi Open 2016)で優勝するなど、勢いに乗って今大会に臨んでいる。

 同日行われたその他の4回戦の試合では、第9シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)が第26シードのジャック・ソック(Jack Sock、米国)に6-3、6-3、6-7(7-9)、6-2で勝利し、準々決勝進出を決めた。ツォンガは2セットを先取したものの、ソックも意地をみせて第3セットをタイブレークで獲得し、試合は第4セットに入った。持ち直したツォンガは、ゲームカウント5-2、ポイント40-0でリードしてマッチポイントを手にすると、一度はダブルフォールトを犯したものの、最後はソックがリターンできないエースを打ち込み、試合を締めくくった。

 ツォンガは、「第3セットでは彼が良いプレーをしていたから難しかった。だから第3セットを落としたことについて後悔はない。とにかく第4セットで自分のテニスをしようと思った」と振り返った。

 8強入りを決めたツォンガは、準々決勝で第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とカイル・エドモンド(Kyle Edmund、英国)の勝者と対戦する。(c)AFP