【8月30日 AFP】メキシコのエンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領(50)が、法科大学院生だった25年前に書いた論文の一部で盗用を行っていたことが分かった。盗用箇所は全体の3分の1近くの段落で見つかったという。地元ニュースサイトが報じ、大統領の母校も29日、報道の内容は事実だと認めた。

 母校であるメキシコのパンアメリカン大学(Panamerican University)によると、ペニャニエト大統領の論文を再調査したところ、「他人のアイデアの扱い」に関わる5種類の盗用行為が見つかった。盗用の種類は、▽脚注や参考文献などで出典を示さずに原文をそのまま引き写した▽参考文献に明示した書籍の文言を引用と示さずに丸写しした▽出典の明示が曖昧だったり不正確だったりした──など。

 再調査は、メキシコの調査報道サイト「Aristegui Noticias」が独自分析や教授への取材から、682段落から成るペニャニエト大統領の論文で実に197段落に盗用があったと暴露した報道を受けて行われた。

 大学側は、盗用行為から長年たっているうえ、元学生は大学行動規範の適用対象とならないことから、ペニャニエト大統領に対して取れる措置はないとしている。ただ、この「前代未聞」のケースをどう処理すべきか、国内で最大の大学であるメキシコ国立自治大学(UNAM)に助言を求める考えだという。

 ペニャニエト大統領の人気は過去最低水準に沈んでおり、地元紙レフォルマ(Reforma)に掲載された直近の世論調査では同大統領を支持するとの回答はわずか23%だった。(c)AFP