【2月22日 AFP】博士論文盗用スキャンダルの渦中にいるドイツの人気閣僚、カールテオドル・グッテンベルク(Karl-Theodor zu Guttenberg)国防相(39)が、自分の論文の「深刻な過ち」を認め、博士号を正式に返上すると申し出た。母校バイロイト大学(University of Bayreuth)が21日に発表した。ただし、「深刻な過ち」があったという表現で、剽窃(ひょうせつ)は認めてはいない。

 2006年にグッテンベルク国防相が執筆した博士論文の大半が盗用だとの指摘を受けて母校が調査を進めている間、同相はすでに一時的に博士号を返上していた。

 同大の広報担当者がAFPに語ったところによると、グッテンベルク氏は書簡で「博士論文を詳細に調べ直したところ、科学的研究とは相容れない深刻な過ちがあることが判明した」と伝えてきたと言う。

 インターネット・ユーザーたちは自主的に検証サイトを立ち上げて問題の論文を精査したところ、計475ページ中270ページに、出典を明記せずに他人の論文をコピーした部分がある証拠が得られたという結論に至った。目次が14ページ、注が65ページあったことを考えると、それ以外のページの約3分の2のページになんらかの問題があったことになる。

 温厚で上品な政治家として人気があるグッテンベルク氏の盗用疑惑に飛びついたドイツのマスコミは早速、「グーグルベルク(Googleberg)」や「カット&ペースト男爵」といった呼び名をつけて同氏を揶揄(やゆ)している。(c)AFP

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