【8月24日 AFP】(更新、写真追加)イタリア中部で24日未明、マグニチュード(M)6.2の強い地震が発生し、地元メディアによると建物が多数倒壊した。多くの人が行方不明となっており、これまでに少なくとも10人が死亡したとみられている。当局は、まだ捜索を続けているため死傷者について公式発表ができる段階ではないとしている。

 米地質調査所(USGS)の地震被害予測システムPAGERは過去の地震データに基づき、多数の死傷者や甚大な被害が予想されるとの警報を出した。

 地震は同日午前3時30分(日本時間同10時30分)ごろ発生。震源地はウンブリア(Umbria)州ペルージャ(Perugia)県ノルチャ(Norcia)の南東10キロで、震源の深さは浅い。震源地からおよそ150キロ離れたローマ(Rome)でも揺れが感じられた。

 1回目の地震から1時間後、M5.4の余震が起きた。

 国営イタリア放送協会(RAI)などの地元メディアは、震源地から東のマルケ(Marche)州ペスカーラデルトロント(Pescara del Tronto)で、自宅が倒壊した夫婦2人の死亡が確認されたと報じた。またAGI通信によると、震源地に近いアックーモリ(Accumoli)村でも少なくとも1人の死亡が確認された。

 アックーモリ村のステファノ・ペトルー(Stefano Petrucci)村長によると、他に4人ががれきの下敷きになっているが反応がなく、村は停電で電話回線も不通となり、救助隊もまだ到着していない。

■「村の半分が消滅」

 地元メディアの取材に応じた人々の話によると、ノルチャ付近の震源地に近い複数の村でも多くの建物が倒壊しているもようだ。

 震源地に隣接したラツィオ(Lazio)州の山村アマトリーチェ(Amatrice)の村長、セルジオ・ピロッツィ(Sergio Pirozzi)氏は、「村の半分が消滅してしまった」と語った。夏の観光シーズンを迎えていた村には多くの旅行客が訪れていた。

 ピロッツィ村長によると、アマトリーチェ村までの道路が土砂崩れでふさがれ、救助隊は現地入りできない状態。AGI通信は、1本の道路で土砂崩れが起き、別の道路では橋が崩落しそうだというピロッツィ村長の発言を伝えている。

 アマトリーチェはイタリアでは風光明媚(めいび)な場所として知られ、夏の最盛期にはローマから避暑で多くの人が訪れる。

 イタリアでは2009年に中部ラクイラ(L'Aquila)で起き300人以上が犠牲になったM6.3の地震の際も、ローマで揺れが体感されていた。(c)AFP