【8月23日 AFP】リオデジャネイロ五輪のボクシング競技は、数人の選手が疑惑の判定や連盟の不正行為を訴えるなど、混乱の絶えない大会となった。

 リオ五輪期間中、国際ボクシング協会(AIBA)には少なくとも2度不可解な判定があったとして非難が集まっていた。

 特に議論を呼んだのは男子ヘビー級決勝で、エフゲニー・ティシチェンコ(Evgeny Tishchenko、ロシア)がヴァシリー・レヴィット(Vassiliy Levit、カザフスタン)に3-0で判定勝ちした際には、判定が不適切だと感じた観客が表彰式でブーイングするなど物議を醸していた。

 また、翌日行われた男子バンタム級の準々決勝でも、試合に敗れた世界選手権王者のマイケル・コンラン(Michael Conlan、アイルランド)が五輪での夢を「奪われた」と語るなど、AIBAに対して激怒していた。

 コンランはAIBAとジャッジの腐敗を厳しく非難し、五輪におけるボクシング競技とその品位を守るために法的措置を講ずる訴えを示したが、AIBAによって退けられていた。2試合の勝者はいずれも、ロシア人選手だった。

 その後、大会期間中の判定について調査を行ったAIBAは、求められるレベルに達していなかった判定があったとして、数人のレフェリーとジャッジをリオデジャネイロ五輪から除外し、翌日にはリオ五輪のボクシング競技で運営責任者を務めてきたカリム・ボウジディ(Karim Bouzidi)氏が、組織内の別の役職に異動していた。

 各国連盟はこれまでAIBAをあまり批判してこなかったが、カナダのボクシング連盟(Boxing Canada)は、ボクシングの品位が危機にあるとして警鐘を鳴らしている。

 ボクシング・カナダはAFPに対して、リオ五輪期間中の出来事について「全面的な見直し」を求めると話したが、AIBA側はコメントの要求に応じていない。(c)AFP