【8月20日 AFP】米フロリダ(Florida)州の人気の観光スポット、マイアミビーチ(Miami Beach)で、胎児の先天性異常を引き起こす可能性が指摘されているジカウイルスへの感染が新たに5人確認され、局所的な流行の兆しをみせている。当局者が19日、明らかにした。

 フロリダ州のリック・スコット(Rick Scott)知事は記者会見で、マイアミビーチで感染が確認されたのは地元住民2人と観光客3人だと発表した。3人は、米ニューヨーク(New York)とテキサス(Texas)州、台湾から同地を訪れていた。

 米疾病対策センター(CDC)は、妊娠中の女性、および妊娠を望んでいる女性に対して、蚊の媒介でジカウイルス感染が広がっているマイアミビーチと市内中心部北側にあるワインウッド(Wynwood)の2地区の3.9平方キロの範囲には近付かないよう注意を促していることを明らかにした。

 両地区があるマイアミデード(Miami-Dade)郡は人口200万人を擁し、そのうち妊娠中の女性が2万人いるが、電話会見したCDCのトム・フリーデン(Tom Frieden)所長は、同郡全体でまだ確認されていない感染者がいる恐れもあると指摘した。

 フロリダ州保健省によると同州内でジカウイルスに感染した人は36人になった。フロリダ州内の感染者は524人になり、その大半をジカウイルスがまん延している南米などを旅行中に感染した人が占めている。

 ジカウイルスは通常蚊の媒介によって感染するが、性交渉により感染するケースもある。感染しても通常は軽い症状しか出ないが、妊婦が感染した場合は新生児が脳と頭部が異常に小さい状態で生まれる小頭症の原因となる可能性がある。

 ジカウイルスはまた、衰弱やまひなどの神経系の問題を引き起こすギラン・バレー症候群と呼ばれる疾患との関連が指摘されている。(c)AFP