【8月22日 MODE PRESS WATCH】東京都写真美術館(Tokyo Photographic Art Museum)は9月3日から、リニューアル・オープン/総合開館20周年記念として「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展を開催する。

 杉本博司(Hiroshi Sugimoto)は、1970年代からニューヨークを拠点とし、明確なコンセプトに基づき、大型カメラを用いた精緻な写真表現で国際的に高い評価を得ているアーティスト。

 本展では、人類と文明の終焉という壮大なテーマを掲げ、世界初発表となる新シリーズ「廃墟劇場」に加え、本邦初公開「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」、新インスタレーション「仏の海」の3シリーズを2フロアに渡って展示し、作家の世界観や歴史観に迫る。

 展示はまず、文明が終わる33のシナリオからスタート。“理想主義者”、“比較宗教学者”、“宇宙物理学者”などの遺物と化した歴史や文明についてのインスタレーションを巡り歩く。これはパリの現代美術館パレ・ド・トーキョー(PALAIS DE TOKYO)で好評を博した展覧会を東京バージョンに構築しなおしたもので、自身の作品や古美術、化石、書籍、歴史的資料などから構成した作品が、人類の文明や認識、現代社会といったものを我々に問いかけてくる。

 また世界初公開となる「廃墟劇場」は、1970年代から制作している「劇場」を発展させて新シリーズ。廃虚と化したアメリカ各地の劇場で、作家自らスクリーンを張りなおして映画を投影し、上映一本分の光量で長時間露光した作品を制作した。8×10大型カメラと高精度なプリント技術は朽ち果てていく華やかな室内を隅々まで捉え、時間の概念へと導いてくれる。さらに「廃墟劇場」初公開記念として10月15日より恵比寿ガーデンシネマでのイベントも開催。作者本人によるトークがある回もあるのでぜひチェックを。

■展覧会概要
・杉本博司 ロスト・ヒューマン
会期:9月3日~11月13日
場所:東京都写真美術館
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話:03-3280-0099

■関連情報
・東京都写真美術館 公式HP:http://topmuseum.jp
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