【8月16日 AFP】(写真追加)赤十字国際委員会(ICRC)のペーター・マウラー(Peter Maurer)総裁は15日、シリア第2の都市アレッポ(Aleppo)で続く紛争は、都市における戦闘として史上最悪のレベルにあるとの見解を示した。

 マウラー総裁は声明で「(アレッポでの戦闘が)都市での戦闘において、現代で最も破滅的なものの一つであることは疑いようがない」と述べ、「膨大な」犠牲者が出ていると非難。政府軍と反体制派に分断されているアレッポでは戦闘が激化し、何百もの人々が死亡するとともに、数えきれない人々が負傷し、支援が届かない市内で何万もの人々が身動きがとれなくなっていると指摘した。

 また、「誰もが安全ではないし、安全な場所も存在しない。砲撃は絶え間なく続き、家も学校も病院もすべて攻撃を受けている。人々は恐怖を抱きながら生きている」、「子どもたちは傷を負っている。犠牲は計り知れない」と述べた。

 かつて同国経済の中心地だったアレッポは、5年に及ぶ内戦の激戦地となり、2012年半ば以降は反体制派が掌握する東側と政権側が支配する西側に分断されている。

 戦闘が激しさを増す中、市内には推定150万の市民がいる一方で、反体制派が掌握する地域にも約25万人がいるとされ、懸念の声が高まっている。

 マウラー総裁は「戦闘による直接的な脅威に加え、水や電気といった必要不可欠なサービスが不足しており、基本的な医療を受けることも非常に困難な最大200万もの人々を、緊急かつ重大な危険にさらしている」と警告した。(c)AFP