【8月15日 AFP】リオデジャネイロ五輪は14日、バスケットボール男子予選グループAの試合が行われ、米国は100-97でフランスを退け、苦しみながらも5戦全勝で決勝トーナメント進出を決めた。

 オーストラリア戦、セルビア戦と辛勝が続いていた金メダル大本命の米国は、トーナメントに向けてトニー・パーカー(Tony Parker)を温存したフランスを相手にまたも苦しい戦いを強いられたが、ここまで不調だったシューターのクレイ・トンプソン(Klay Thompson)が30得点を挙げて競り勝った。

 NBA有数のシューターに数えられながら、五輪ではここまでシュート成功率わずか15パーセントにとどまっていたトンプソンだが、第3クオーターに立て続けに3ポイントシュートを沈め、ごく短い間ながら米国に16点のリードをもたらした。

 フィールドゴール16本中9本を成功させたトンプソンは、「残りの試合、僕のシュートが10パーセントしか入らなかったとしても、チームが金メダルを取れたらそれでいい。この大会はそこに尽きる」と話した。

 フランスは米国の守備を攻略し、46-55と一桁得点差で前半を折り返すと、その後もパーカーの代役を務めたトマ・ユーテル(Thomas Heurtel)を中心に食い下がり、第4クオーターにはそのユーテルが全18得点中9得点を決めて追い上げた。

 しかし米国も、カイリー・アービング(Kyrie Irving)の倒れ込みながらのパスからケビン・デュラント(Kevin Durant)がアリウープをたたき込むなど派手なプレーで応戦し、逆転は許さなかった。

 五輪では2004年のアテネ五輪を最後に、また国際舞台では10年にわたって無敗を続け、リオでは五輪3大会連続の金メダルが有力視される米国だが、予選リーグでは不安定な守備が改善せず、17日から始まる決勝トーナメントでも相手はそこを突いてくることが予想される。

 米国のマイク・シャセフスキー(Mike Krzyzewski)ヘッドコーチ(HC)も、選手が絶え間なく動き、しっかりボールを保持してできる限り良い状態でシュートを打とうとする国際大会の強豪国のバスケットに、まだ結成間もないチームが慣れていないことを認め、「ディフェンスの意識が欠けていた。そして、こういうボールのないところでよく動くチームが相手の場合、そうした隙を作ってはならない」と話している。

 グループBの最終節が15日に残されているため、米国の準々決勝の対戦相手はまだ決定していないが、スペイン、クロアチア、ブラジルのいずれかのチームと対戦する可能性がある。

 グループAではほかに、オーストラリアが81-56でベネズエラを下し、4勝1敗で2位通過。決勝トーナメントで米国側の山に入ることを免れた。(c)AFP/Dan Martin