【8月14日 AFP】リオデジャネイロ五輪は13日、テニスの男子シングルス準決勝が行われ、ファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)は5-7、6-4、7-6(7-5)で第3シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を破り、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)との決勝に進出。リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で続くおとぎ話のような快進撃について、「四大大会(グランドスラム)制覇以上に特別かもしれない」と語った。

 27歳のデルポトロは、2015年にここ5年間で3度となる手首の手術を強いられるなど、引退の瀬戸際まで追い込まれ、世界ランキングも自己最高の4位から現在は141位まで沈んでいる。

 しかし、身長198センチのデルポトロは、1回戦で世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に勝利すると、この日の準決勝では2008年の北京五輪金メダリストのナダルを破り、リオで見事な復活劇を演じている。

 準決勝終了後にアルゼンチンファンの祝福を受けたデルポトロは、「(決勝進出は)僕にとって大きな意味がある。本当に大きい。もしかしたら自分が優勝した全米オープン(The US Open Tennis Championships 2009)以上に特別かもしれない」と語った。

「決勝まで行けるとは思っていなかったし、ジョコビッチに勝てるとも思っていなかった。とにかく信じられない。夢の中を生きているみたいだ。試合後はいつも観客に泣かされている」

 2012年のロンドン五輪では銅メダルを獲得しているデルポトロは、決勝で激突する第2シードのマレーとの通算対戦成績を2勝5敗としており、最後に勝利を収めたのは3年前までさかのぼることになる。デルポトロは、「アンディが間違いなく大本命だ。ここまで勝ち進めたことが本当にうれしい。決勝では良い状態で臨めるようにしたい」と語った。

 一方、マレーはデルポトロについて、「ファン・マルティンはリオで素晴らしいプレーを披露している。ノバクを倒して自信をつけているし、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)でもワウリンカに勝っている。彼は以前と同じレベルでプレーできていて、そうした姿が見れることは本当に素晴らしい」とコメントした。

 マレーがもし決勝で勝利すれば、シングルスで五輪連覇を成し遂げた史上初の選手になるが、そのためにはジョコビッチとナダルを破って決勝に進出したデルポトロとの大一番に勝たなければならない。(c)AFP/ Dave JAMES