【7月24日 AFP】リオデジャネイロ五輪を約2週間後に控え、陸上男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)がジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin、米国)を「敬意に欠く」と非難し、そのライバル関係を再燃させた。

 ボルトは、22日に行われたダイヤモンドリーグ(IAAF Diamond League 2016)第10戦のロンドン大会(The Muller Anniversary Games)で、今季初めて200メートルに出場して19秒89という見事なタイムを記録し、今月初めにジャマイカの国内選手権の棄権を余儀なくされた太ももの張りという懸念を振り払った。

 国内選手権を欠場したものの医療免除を受けたボルトに対し、ガトリンや米国の短距離選手らは、米国人選手であればあり得ないような優遇措置をボルトが受けていると主張した。

 過去に2度ドーピングで出場停止処分を受けているガトリンからの批判を、ボルトは一笑に付した。

「ジョークかと思った。彼らは、俺が選手権を避けたと考えている。そんなのは敬意に欠けていると思うね」

「毎年毎年、自分が最高の選手だということを証明し続けている。聞いたときは笑ったし、失望した。特にジャスティン・ガトリンにはね」

 昨年行われた第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の100メートルと200メートルで、ともにボルトに次ぐ2位に入ったガトリンは、ここ数年はボルトにとってライバルとなっている。

 今月初めに行われた米国の陸上代表選考会でガトリンは、8月5日に開幕するリオデジャネイロ五輪でボルトは間違いなく体調万全になるだろうとの見解を示した。

 ガトリンは「結局のところ、陸上界である種の力を自由に操ることができるのであれば、時折それを働かせることもあるだろう」と、ボルトへの優遇措置をほのめかすコメントをした。

「それが今現実に起きている。彼はけがをしても、救済措置がある。それが彼の国がやっていることだ」

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