【7月16日 AFP】男子テニスの世界ランク7位ミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)と、女子テニスの同5位シモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)が15日、ジカウイルスによる健康不安を理由にリオデジャネイロ五輪への参加辞退を表明。ラオニッチが今回の決断を「心苦しい」とした一方で、ハレプは出産できなくなるリスクを冒したくないとし、ジカ熱に対する大きな不安を訴えた。

 自身のフェイスブック(Facebook)でリオ五輪不参加を表明した25歳のラオニッチは、「家族やコーチ陣と慎重に話し合った結果、ジカウイルスに関する不透明な状況を含め、さまざまな健康不安を考慮し、今回の決断に至りました」と説明し、「個人的にも難しい選択でした。これがほかの選手の決断に影響を与えないことを祈ります」とコメントした。

 カナダテニス協会(Tennis Canada)は、先日のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)で男子シングルス準優勝のラオニッチが下した決断を尊重すると発表し、男子ダブルスでバセック・ポスピシル(Vasek Pospisil)とペアを組む選手には、43歳のダニエル・ネスター(Daniel Nestor)を指名したことを明らかにしている。

 一方、2014年の全仏オープンテニス(French Open 2014)で準優勝のハレプも、自身のフェイスブックに「残念ながら、五輪でプレーしない決断を下したことをお知らせします。理由はジカウイルスの危険に対する不安です」と投稿した。

 現在24歳のハレプは「医師や家族と話し合いを重ね、自分のキャリアだけでなく、特に女性の健康リスクが高すぎると判断しました。私にとって家族はとても大切です。テニスでのキャリアを終えたあと、子どもを持てなくなるというリスクは冒せません」と語っている。

 ジカ熱への恐れは、ゴルフ界にもマイナスイメージをもたらしており、これまでにジェイソン・デイ(Jason Day、オーストラリア)、ジョーダン・スピース(Jordan Spieth、米国)、ロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)、ダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson、米国)がそろって出場辞退を表明し、世界ランクの上位4人が不在という事態に陥っている。