【7月15日 AFP】蚊がウイルスを媒介し、新生児の先天性異常の要因と指摘されているジカ熱の流行について、3年以内に終息する可能性が高いとする研究論文が14日、発表された。論文は、中南米地域での流行はピークに達したとの見方を示している。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の研究チームが主導・執筆した研究論文は、米科学誌サイエンス(Science)誌に掲載された。同大公衆衛生大学院(School of Public Health)のニール・ファーガソン(Neil Ferguson)教授は、「現在の爆発的な流行は、集団免疫と呼ばれる現象により自然に終息を迎えるだろう」としている。

 ファーガソン教授によると、ジカウイルスに感染した人は、ウイルスを消滅させる抗体が体内で作られるため、再度感染することはない。そのため、未感染の人が減ることで、流行のレベルが自然と下がるのだという。

 同教授は、2~3年以内にこの状態になるとしている。また、集団免疫により「ジカウイルスの次の大規模な流行を10年以上先延ばしできる可能性がある」とも指摘した。

 論文によると、ブラジルで小頭症と診断された新生児の数は1326人に上り、7438人に疑いがあるとされた。今回の流行では、小頭症の報告がブラジルで最も急増している。同国で小頭症と診断される新生児の数は例年200人にも満たない。

 現在、ワクチンの開発が進められているが、当局は完成まで数年かかるとの見通しを示しているため、完成は流行の終息後となる可能性もあるという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN