【7月14日 AFP】ツール・ド・フランス(2016 Tour de France)は13日、第11ステージ(カルカッソンヌからモンペリエ、162.5キロメートル)が行われ、総合首位に立つチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)がまたしても果敢な走りで後続とのタイム差を広げた。強風の吹き荒れるステージはティンコフ(Tinkoff)のペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)が制した。

 マイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)をまとうフルームと、マイヨ・ヴェール(グリーンジャージー)をまとうサガンというスター選手2人は、残り13キロメートルを切ったところで、それぞれチームメート1人を伴って猛スピードで集団を引き離しにかかった。

 サガンがマチェイ・ボドナール(Maciej Bodnar、ポーランド)とともにアタックを仕掛けると、対応できたのはフルームと同僚のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)のみ。4人は反応が遅れた集団にあっという間に20秒のタイム差をつけた。

 そして最後は、世界王者のサガンが余裕をもってスプリント勝負を制しステージ優勝。2位にはフルームが、3位にはボドナールが入った。

 第8ステージと同じような意表を突く走りを披露したフルームは、「今回もとっさの判断だった。チームが大きな仕事をしてくれて、おかげで先頭にとどまることができた」と話した。

「残り10キロでサガンが飛び出したとき、こう思ったんだ。『追うしかない』ってね。だからトーマスと2人で力を合わせて頑張った」

 下り坂フィニッシュの第8ステージでも、フルームは驚異の走りを披露し、ボーナスタイムと合わせてライバルたちに23秒差をつけている。今回、フルームと後続集団との差は結局6秒だったが、ボーナスタイムの6秒と合わせると12秒のタイム差がついた。

 この結果、総合順位では、2位につけるオリカ・バイクエクスチェンジ(Orica BikeExchange)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)とフルームとの差が28秒、エティックス・クイックステップ(Etixx-Quick Step)のダニエル・マーティン(Daniel Martin、アイルランド)との差が31秒、そしてフルーム最大のライバルと目されるモビスター・チーム (Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)との差が35秒にそれぞれ広がった。

 その後、第12ステージの短縮が発表され、この結果はさらに大きな意味を持つことになった。

 モンヴァントゥ(Mont Ventoux)の山頂がゴール地点となる第12ステージについて、大会主催者は、山頂に暴風が吹き荒れていることを理由に、コースを6キロメートル短縮することを決断。フルームのライバルたちにとっては、タイム差を縮める機会が少なくなってしまった。(c)AFP