【7月13日 AFP】1966年サッカーW杯決勝の西ドイツ戦でハットトリックを達成したイングランドのジェフ・ハースト(Geoff Hurst)氏が着用し、同国サッカー界にとって最も重要なユニホームが12日、オークションで買い手がつかなかったことが明らかになった。

 背番号10で長袖のコットンのユニホームは、30万ポンド(約4100万円)から50万ポンド(約6800万円)の評価額だったが、いくつか入札はあったものの、サザビーズ(Sotheby's)が主催した今回のオークションでは最低競売価格に達しなかった。

 サザビーズの広報担当は、「このユニホームはとても重要で、サッカーの歴史における貴重なものなので、競売が始まる前から大きな関心を集めました」と話していたものの、「各方面から高い評価を受け、いくつか入札はあったのですが、最低競売価格に達しませんでしたので、残念ながら本日は買い手を見つけることができませんでした」と話している。

 W杯で出場機会が限られていたハースト氏は、エースのジミー・グリーブス(Jimmy Greaves)氏が準決勝の前にけがをしたことでチャンスをつかむと、決勝ではゴールラインを割ったか否かで大きな物議を醸した得点を含めハットトリックを果たし、イングランドに史上唯一のメジャータイトルをもたらしている。 

 ハースト氏が決勝で着用したユニホームは、2000年に初めてクリスティーズ(Christie's)でオークションにかけられ、個人のコレクターに9万1750ポンド(約1300万円)で落札された。

 さらにこのユニホームは、2008年に外国人投資家の代表を務めた不動産投資家のアンドリュー・レスラウ(Andrew Leslau)氏によって非公開の額で買い取られると、レスラウ氏は「イングランドサッカー史における最も重要なユニホーム」として、100万ポンドの保険をかけた。(c)AFP