【7月10日 AFP】全米に抗議行動が広がった一因となった、ミネソタ(Minnesota)州で黒人男性のフィランド・キャスティル(Philando Castile)さん(32)が警察官に射殺された事件で、警察官の弁護士は9日、キャスティルさんを撃ったのは銃を持っていたからで人種が理由ではないと述べた。

 キャスティルさんを撃ったのは同州ミネアポリス(Minneapolis)郊外セント・アンソニー(St. Anthony)の警察に所属するヒスパニック系の警察官で、弁護士は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に、警察官は「銃の存在に対して反応した」と語った。

 キャスティルさんは6日、同州ファルコンハイツ(Falcon Heights)で車を運転中にテールライトが故障しているとして停車を求められた後、射殺された。

 この様子を助手席に乗っていた恋人のダイヤモンド・レイノルズ(Diamond Reynolds)さんが携帯電話で撮影しており、その動画がネット上で配信され全米を震撼させた。当時、後部座席にはレイノルズさんの4歳の娘も同乗していた。

 レイノルズさんによれば、キャスティルさんは銃とその携帯許可証を持っていると警官に告げたあと、財布を取りだそうとして撃たれたという。

 米国では2日間で黒人男性が警官に射殺される事件がレイノルズさんを含め立て続けに起き、各地で警察に抗議するデモ行進などが行われている。

 キャスティルさんを撃った警官側の主張は弁護士によって明らかにされたが、依然として不明な点は多い。現在、同州の捜査当局の捜査が行われており、その間この警官は停職している。(c)AFP