【7月10日 AFP】リオデジャネイロ五輪開幕まで1か月を切ったブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で9日、観光客が集まる要所などで巡回警備の訓練が行われ、武装した兵士や装甲車両が参加した。

 兵士1500~2000人がリオ市内各所に展開し、博物館「ミュージアム・オブ・トゥモロー(Museum of Tomorrow)」があるマウアー広場(Plaza Maua)などを巡回した。

 開会式と閉会式が行われるマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)ではロケット砲を持った兵士も見られ、リオで最も多くの人々が訪れるとされる人気の観光地コパカバーナビーチ(Copacabana Beach)の沖には海軍の艦船が展開し、各幹線道路の要所では走行車両などが見られた。

 ブラジル政府はリオデジャネイロ五輪の警備に、2012年のロンドン五輪の倍の規模となる、警察官や兵士約8万5000人を投入する。

 リオに展開する治安要員は約6万5000人とみられる。このほかサッカー競技が開催される5都市に2万人が配備される。軍からは4万人が動員され、うち2万2000人がリオに配備される。

 警察官は主に路上の警備を担当。兵士はリオ周辺の4つの主要会場を結ぶ交通要所を巡回する。西部バーラ(Barra)地区の選手村がオープンする24日には兵士を支援する装甲車両70台とヘリコプター28機も投入される予定。

 今年になってリオデジャネイロでは犯罪発生率が上昇しているが、その理由は治安要員の不足だけではない。50人以上の同僚たちが殺害されている警察官たちは、5月と6月の給与遅配や残業代の未払いに怒りを募らせている。(c)AFP