【7月9日 AFP】ツール・ド・フランス(2016 Tour de France)は8日、第7ステージ(リル・ジュルダンからラク・ド・パヨル、162.5キロメートル)が行われ、ディメンションデータ(Dimension Data)のスティーブン・カミングス(Stephen Cummings、英国)が仏ピレネー山脈(Pyrenees)でステージ優勝を飾った。しかし、レース終盤には空気注入式のゲートが突如崩落して、選手が流血するというアクシデントも発生した。

 35歳のカミングスの勝利は、第6ステージまでに3勝を挙げているチームメートのマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish、英国)と合わせて、アフリカのチームとして参戦しているディメンションデータと、英国勢ライダーに今大会4勝目をもたらした。

 29人の逃げ集団にいたカミングスが、レース残り27キロメートル付近で一人抜け出すと、2014年大会覇者でアスタナ(Astana Pro Team)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)ら3人が猛追を仕掛けた。しかし、カミングスが驚異的なスピードを見せて振り切り、ツール・ド・フランスで2年連続、通算2度目のステージ優勝を果たした。

 トップから1分4秒差の2位でフィニッシュしたオリカ・バイクエクスチェンジ(Orica BikeExchange)のダリル・インピー(Daryl Impey、南アフリカ)に続き、同タイムの3位にはコフィディス(Cofidis, Solutions Credits)のダニエル・ナバーロ・ガルシア(Daniel Navarro Garcia、スペイン)が入った。

 一方、最初の逃げ集団を形成したBMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のフレフ・ヴァンアフェルマート(Greg Van Avermaet、ベルギー)も5位でフィニッシュし、総合首位のマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を維持する最高のレースを展開。5分50秒差で総合2位につけるオリカ・バイクエクスチェンジ(Orica BikeExchange)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)と、さらに1秒差の同3位に続くエティックス・クイックステップ(Etixx-Quick Step)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、フランス)を引き離している。

 総合優勝候補と目されているチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)は5分57秒差で総合6位、モビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)は同タイムで7位につけている。

 今ステージの終盤では、残り1キロ地点に設置されていた空気注入式のゲートが崩落し、その直撃を受けて落車したイエーツが顎から流血するというアクシデントが発生。この事故では、フルームやキンタナらを含む集団もスローダウンを余儀なくされた。

 このアクシデントを受け、この日の公式タイムはフィニッシュ地点での記録ではなく、ゴール手前3キロ地点の記録が適用されることになった。(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN