【7月7日 AFP】ウイルス性肝炎による年間の死者数は、AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)や結核、マラリアに比べて高いとの調査結果が7日、明らかになった。

 英医学誌ランセット(Lancet)に掲載された研究論文によると、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の研究チームが世界183か国のデータを調べた結果、ウイルス性肝炎を原因とする感染症や肝疾患、がんによる死者数は、1990年の約89万人から2013年には約145万人となり、63%増加していた。

 2013年にその他疾患で死亡した患者の数は、エイズで約130万人、結核で約140万人、マラリアで約85万5000人だった。

 肝炎は、肝臓が炎症を起こし、さまざまな症状を引き起こす疾患。大半はウイルスが原因だが、薬物やアルコールの乱用、他の感染症、自己免疫疾患などが原因となることもある。

 今回の調査で算出されたウイルス性肝炎による死者数のうち、B型とC型が96%を占めていた。またアジア東部と南部に死者が多かったことも分かった。(c)AFP