【6月27日 AFP】仏日曜紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Le Journal du Dimanche)は26日、今年のツール・ド・フランス(2016 Tour de France)で、隠しモーターを摘発する大規模な検査方式が導入されることになると報じた。

 検査で使用されるとみられるのは三つのシステムで、すでに実施されている磁気共鳴画像によるスタート地点とゴール地点でのチェック、サーモグラフィーによる電動機材の検知のほか、フランス軍から検査装置の提供を受けるという。

 仏北西部ノルマンディー(Normandy)地方の観光名所モンサンミッシェル(Mont Saint-Michel)で開幕する今年のツールは、来月2日から24日まで開催される。

 ジュルナル・デュ・ディマンシュ紙は、ツール・ド・フランスをはじめとした最近のレースでモーターが内蔵された自転車の使用が強く疑われる証拠を示しており、ティエリー・ブライヤール(Thierry Braillard)仏スポーツ担当相は同紙に対して、「これはドーピングよりもたちの悪い問題だ。自転車レースの目の前の将来は、危機に立たされている」と語っている。

「この脅威と闘うための最善策を確立すべく、私の命令の下、研究センターでは懸命な努力が続けられている」

 今年4月には、隠しモーターの使用が初めて摘発されたフェムケ・ファン・デン・ドリエッシュ(Femke van den Driessche、ベルギー)に6年間の出場停止処分が下されている。

 1月にベルギーで行われたUCIシクロクロス世界選手権(UCI Cyclo Cross World Championships 2016)で、U-23のレースに出場したファン・デン・ドリエッシュが使用していた自転車から電動モーターが発見された。

 出場停止に加えて2万スイスフラン(約230万円)の罰金を言い渡された19歳のファン・デン・ドリエッシュについては、昨年10月からの全記録が無効になったほか、賞金とメダルの返還も命じられている。(c)AFP