【6月26日 AFP】サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)は25日、決勝トーナメント1回戦の試合が行われ、ウェールズは相手主将のオウンゴールで北アイルランドに1-0で競り勝ち、準々決勝に進出した。

 両チーム0-0で迎えた後半30分、ウェールズはギャレス・ベイル(Gareth Bale)が送り込んだクロスが相手DFギャレス・マコーリー(Gareth McAuley)のオウンゴールを誘発し、パルク・デ・プランス(Parc des Princes)で行われた英国同士の対決を制してベスト8に駒を進めた。

 3得点で大会得点王に立つベイルは、枠内シュートを1本しか打てず、その長距離FKも相手GKに阻まれたが、それでも試合を決定づけるプレーで実力を見せた。

 後半30分、アーロン・ラムジー(Aaron Ramsey)からのパスを受けたベイルが低く鋭い折り返しをゴール前に入れると、ボールはハル・ロブソン・カヌ(Hal Robson-Kanu)に通るのを防ごうとしたマコーリーの脚に当たって北アイルランドのゴールに吸い込まれた。

 北アイルランドのサポーターは、ここまでまったく出場機会がないものの、あちこちで耳にするウィル・グリッグ(Will Grigg)のチャントを一斉に歌い心を揺さぶる応援を披露していたが、マコーリーはそのファンの楽しみを奪って申し訳ないと話した。

 36歳の主将は報道陣に対して、「みんなを家へ帰すことになってしまって、とにかくがっかりしている。だけど、夢のような気分でもあるんだ。僕らはこの機会を堪能したし、大会を楽しんだ」とコメントした。

「輝かしい時間だったよ。うそじゃない。良いこともあれば、悪いこともある。それなりに長くサッカーをやっているから、心の安定を保つ術は心得ている」

「浮かれすぎもしないし、落ち込みすぎもしない。確かに今日は厳しい試合になったけど、それでも楽しかった」

「ああいう場面を作ってしまったのはつらいけど、ベイルはすごくいいボールを入れてきた。多分、もう少し勢いは抑えられただろうけど、すぐ後ろに相手がいたから、見送るわけにはいかなかった」

「みんなで粘っていたのに、仲間たちに申し訳ない」と話したマコーリーだが、それでもユーモアをなくさず、「だけど、PKを外すよりはいいよ!」と続けた。

 FWのカイル・ラファティ(Kyle Lafferty)は、フランスまで駆け付けた大応援団に賛辞の言葉を贈った。

「すべてのファンが、一人残らず誇りに思うべきだ。選手は全員、みんながしてくれたことを見過ごしてなんかいない。ただ、僕らも彼らも、国へ帰らなくちゃならないことだけが残念だ」

(c)AFP