【6月20日 AFP】トルコとシリアの国境で19日朝、シリア側から戦禍を逃れてトルコ側に越境しようとしたシリア人の一団にトルコ国境警備隊が発砲し、子ども4人を含む8人が死亡した。英国に拠点を置く非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。

 一方、トルコ政府の支援を受けイスタンブール(Istanbul)を拠点とするシリアの主要反体制派組織「シリア国民連合(National Coalition)」は、11人が射殺されたと発表し「恐ろしい悲劇だ」と発砲を非難した。

 人権監視団によると死亡した8人は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が掌握しているシリア北部マンビジ(Manbij)周辺から戦闘で住居を追われた人々で、イドリブ(Idlib)県からトルコへ逃れようとしていたという。マンビジでは米国主導の有志連合による空爆が行われている。

 トルコはシリアとの国境を数か月前から閉鎖している。トルコ政府は、国境警備隊が越境してくるシリア人に発砲しているとの非難を繰り返し否定しているが、人権監視団によれば今年に入ってから少なくとも60人のシリア民間人がトルコ国境警備兵に殺害されたという。(c)AFP