■「Pow! Wow! Japan」の開催

 昨年、東京で初めてストリートアートイベント「Pow! Wow! Japan(パウワウ・ジャパン)」が開催された。ストリートアートに比較的オープンな渋谷や原宿をはじめ、都内各所で1週間にわたり、さまざまな関連イベントが行われた。

 Pow! Wow!はもともと、中国系米国人アーティストのジャスパー・ウォン(Jasper Wong)氏が、アーティストと一般市民とをつなげる手段として、ハワイ(Hawaii)で立ち上げた企画だ。

「ここでは作品が出来上がっていく課程を見ることができ、それぞれのアーティストがどのように制作しているのかがわかる」と、Pow! Wow! Japanのディレクター、エミリー・オカモト(Emily Okamoto)氏は言う。

 イベントでは、グラフィティと書道のハイブリッドなど、日本と外国文化の融合も見どころの一つとなった。日本以外からも多数のアーティストが参加し、ドイツ人アーティストのアンドレアス・フォン・バンゲンハイム(Andreas von Chrzanowski)氏は、天王洲アイル(Tennozu Isle)の12階建てビルに巨大な力士の作品を描いた。

 2014年、米広告代理店オグルヴィ・アンド・メイザー(Ogilvy and Mather)は、「グラフィティ・ジャパン(Graffiti Japan)」著者でもあるレモ・カメロータ(Remo Camerota)氏を招き、都内オフィス内に作品の制作を依頼した。

 完成した、床から天井までの大きさの作品には、触った場所によって12の異なる音が鳴る仕掛けが組み込まれていた。

「ストリートアートはブランドとのタイアップにより今まで以上の認知を受けることは確かだ」とBAKIBAKIは言う。そして「日本のサブカルチャーと欧米のストリートアートが合わさったところに、日本の独自の可能性があると思う。そういった動きがどんどんできてきたら、日本にしかないストリートアートが生まれていくと思う」と期待を込めて語った。(c)AFP/Emily Shen