【6月14日 AFP】北朝鮮が首都平壌(Pyongyang)に巨額の費用をかけて建設し、2012年に完成したテーマパーク「平壌民俗公園(Pyongyang Folklore Park)」を閉園したと、韓国メディアが14日、報じた。

 同国の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の叔父で、2013年に処刑された張成沢(チャン・ソンテク、Jang Song-Thaek)氏を想起させることが閉園の理由だと伝えられている。

 当初、金委員長は平壌の著名建築物のミニチュアが並ぶ同公園を、自らの父、故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の発案によるものと述べていた。また、公園の建設事業を監督したのが、一時は北朝鮮のナンバー2といわれた張氏だったが、張氏は2013年末に反逆罪で有罪となり処刑された。

 韓国の聯合(Yonhap)ニュースが情報筋の話として報じたところによると、金委員長は叔父を想起させるとの理由で「ミニ平壌」の取り壊しを命じたという。ある情報源によれば「金氏は、平壌民俗公園を通り過ぎるたびに張氏を思い出すと文句を言っていた」と述べている。また別の情報筋によれば、北朝鮮労働党は同公園を宣伝するために作成したパンフレットをシュレッダーにかけて処分したという。

 ただし、中国を拠点とする北朝鮮旅行専門旅行会社「高麗ツアーズ(Koryo Tours)」の経営者、ニック・ボナー(Nick Bonner)氏は、北朝鮮の観光当局から閉園は改修のための一時的なものだと聞かされていると語っている。(c)AFP