【6月14日 AFP】サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)で起きたファン同士の乱闘について、極右民族主義を掲げるロシア自由民主党(LDPR)のイーゴリ・レベデフ(Igor Lebedev)氏は13日、自国のファンがイングランドサポーターと衝突したのは当然のことであると発言した。

 下院副議長を務め、ロシアサッカー連合(RFS)の執行委員でもあるレベデフ氏は、「ファンが衝突したことを間違っているとは思わない。むしろその逆で、彼らはよくやった。その調子だ!」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 LDPRのウラジーミル・ジリノフスキー(Vladimir Zhirinovsky)党首を父に持つレベデフ氏は、暴動の原因は「ファンではない」とし、フランスの警備態勢について、「このようなイベントを組織する能力に欠けている」と批判した。

 レベデフ氏はまた、ウェブサイト「Life.ru」のインタビューで、ロシアファンはイングランドサポーターに挑発されたのだと主張し、ビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)スポーツ相もその場にいれば、衝突を楽しんでいただろうと話している。

「ムトコ氏も観客席にいれば、ファンの味方をしたはずだ。公務員の肩書がなければ、先に挑発してきたイングランドサポーターに向かっていっただろう」

 当のムトコ氏は、2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)開催を控え、「国に泥を塗る行為だ」と自国のフーリガンを糾弾している。

 11日のイングランド対ロシア戦で発生した暴動では、イングランドサポーター1人が重体に陥っており、欧州サッカー連盟(UEFA)は両チームに対し、暴動が収まらなければ大会から追放すると警告。これを受けて、レベデフ氏は今回の発言に至った。

 一方のRFSは、代表チームが失格になるのを避けるため、ファンには適切な行動を取るよう呼び掛けている。(c)AFP