【6月10日 AFP】路上にあふれるごみ、交通機関のストライキ、デモ隊と警官隊の衝突、おまけに洪水——10日に開幕するサッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)の開催国フランスでは、全世界の注目が集まる中で、山積する問題によるイメージダウンの恐れに旅行業界が頭を悩ませている。

 続々とサッカーファンが詰め掛ける中、フランスの鉄道ストは9日目に突入。首都パリ(Paris)ではスト中の労働組合員らがごみ焼却施設に通じる道路を封鎖したため、収集できないごみの山が路上のあちこちに見られる。労働法改革に抗議するデモ隊と警官隊との衝突も各地で続き、さらに今月初めには大規模な洪水に見舞われた。

「まったく悲惨なありさまだ。海外メディアが報じるのは、炎上するパリの光景や慢性化した社会的対立ばかり。そして、観光客が目にするのはカフェの前に放置されたごみ箱ときては、フランスはどこでもこんな風なのだと思われてしまう!」と、仏旅行業協会のジャンピエール・マス(Jean-Pierre Mas)会長は嘆く。

 旅行業界では、欧州選手権が成功すればフランスのイメージアップにつながると期待をかけるが、マス会長は「ストのせいで移動もままならないチームが出てくるかもしれない。もし、そんなことになったら…」と懸念を口にした。(c)AFP