【5月24日 AFP】2015年のドイツでは移民・難民が100万人以上流入した一方で、難民および難民収容施設を狙った極右勢力による襲撃が前年比5倍の900件超に上ったことが明らかになった。独政府が23日、発表した。

 独内務省がまとめた政治犯罪に関する統計によると、難民および難民収容施設に対する襲撃は、2014年には175件だったのに対し、2015年は約923件に上っている。

 このうち177件は殺人未遂3件を含めた暴力行為で、その他の数百件はナチス・ドイツ(Nazis)のシンボルや憎悪表現の落書きといった非暴力行為だった。

 トマス・デメジエール(Thomas de Maiziere)独内相は「残念ながら2016年に政治犯罪が減少するとは思えない」と述べ、今年の第1四半期で難民収容施設に対する犯罪がすでに347件に上っていることを明らかにした。

 デメジエール内相によれば、極右による犯罪の加害者の90%は男性で、4分の3が18~30歳、大半が犯罪現場近くに住み、半数近くは前科などがなく警察にマークされていなかったという。(c)AFP