【5月20日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、デトロイト・ライオンズ(Detroit Lions)でのキャリアが脳振とうの影響で断たれることになったジャビッド・ベスト(Jahvid Best)は、セントルシア代表の短距離選手としてリオデジャネイロ五輪出場を目指している。

 2010年のドラフト1巡目で指名を受けたベストは、ライオンズでRBとして2年間プレー。22試合に出場し、ランで通算945ヤードを獲得して6タッチダウンを記録したが、度重なる脳振とうによりその選手生活に終止符が打たれた。

 そんなベストは、父親の出身国セントルシアの代表として、五輪出場を目指している。

 セントルシア・ニュース・オンライン(St. Lucia News Online)によると、米国籍のベストはセントルシアの市民権とパスポートを取得し、7月25日と26日に行われる同国の国内選手権の男子100メートルで五輪参加標準記録の10秒16、あるいはそれより速いタイムを出せば、カリブ海に浮かぶ島国の代表に選出されることになるという。

 27歳のベストは米紙サンノゼ・マーキュリー・ニュース(San Jose Mercury News)に対し、「セントルシアのプライドを取り戻したい。トラックの上で国旗を掲げて、国を誇りに思えるようにしたい。代表チーム入りを目指すつもりだ。国を代表することは私にとっても、家族にとっても大きな意味を持つ」とコメントしている。

 現在米アリゾナ(Arizona)州を拠点にトレーニングを積んでいるベストは、先月米サンディエゴ(San Diego)で行われた競技会で10秒16を記録している。

「先々のことまでは考えていない、現時点で9秒台の話や見込みについては何も言えない。日々進歩していくことに集中するだけだ」

「懸命に頑張っているし、改善の余地があると思っている。どれほどの可能性があるかは分からないが、どんな可能性であれ、探し当てるつもりだ」

(c)AFP