【5月11日 AFP】クラブ売却がうわさされるイタリア・セリエAの名門ACミラン(AC Milan)が10日、中国の投資家に「独占交渉権」を与えたことを発表した。ミランは、中国企業への売却にまた一歩近づいた。

 欧州制覇7度の実績を持ちながら、近年は低迷が続くミランについて、チームの所有者であるシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)会長は、株式の過半数を譲り渡す可能性はあるが、できれば「イタリア人の手元に」クラブを残したいと話していた。

 ところがミランがこの日、クラブの公式ウェブサイトに掲載した声明には、ベルルスコーニ会長の所有するフィニンベスト(Fininvest)社が、中国の合弁企業との真剣な話し合いに臨む準備を固めたと記されていた。

「フィニンベスト社は、ACミランの株式譲渡に関して、独占交渉権を付与することで中国の投資家グループと合意に達しました。了解覚書にも署名がなされ、今後はそれを出発点に、踏み込んだ話し合いが行われることになります」

「独占交渉権が付与されたのは、話し合いの複雑性、クラブの状況、サッカーカレンダーで予定されている事項との兼ね合いに鑑みた結果です」

 書面上では、ACミランが中国のオーナーを迎えるのも時間の問題とみられる。実現すれば、2013年11月にインドネシアの実業家、エリック・トヒル(Erick Thohir)氏に所有権を譲渡したインテル(Inter Milan)に続き、ミラノ(Milan)の2クラブがアジア人オーナーの手に渡ることになる。

 ミランは昨年から、タイの実業家ビー・テチャウボン(Bee Taechaubol)氏を中心とする合弁会社へ株式を売却する交渉を行っていたが、破談に終わっていた。(c)AFP