■「危険な坂道」

 今後、科学界と規制当局は「14日ルール」を撤廃するか、または期限を延長するかについての決断を迫られることになる。14日ルールは12か国で法律となっているほか、米国と中国を含む5か国で慣行化している。

 大半の科学者らが、この規制の緩和に賛成している。

 だが、この規制緩和をきっかけに、将来的に問題が生じるとしてより慎重な姿勢が求められるとする専門家もいる。いわゆる「危険な坂道」問題だ。

 米スタンフォード大学医学部(Stanford University School of Medicine)の法とバイオサイエンスセンター(Center for Law and the Biosciences)のヘンリー・グリーリー(Henry Greely)所長は「14日ルールを使わないなら、どのような制限を使うことになるのか」と問いかける。

「欧州の多くの人工妊娠中絶法で定められている12週程度にするか、あるいは米国の中絶法にある『生存可能性』の23週前後にするのか」──そう述べた上で、人間の発達が途切れのないプロセスであることを指摘しながら「最終的には線引きが不可欠となる」と続けた。(c)AFP/Marlowe HOOD