【5月5日 AFP】米大統領選の共和党候補指名争いに出馬していたジョン・ケーシック(John Kasich)・オハイオ(Ohio)州知事が4日、選挙戦からの撤退を表明した。これにより共和党からの立候補者は不動産王のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏(69)のみとなり、同氏の指名獲得が事実上確定した。

 支持が伸び悩んだケーシック氏はオハイオ州での集会で支持者らを前に「今日、選挙戦を中止するにあたり、私は、進むべき道を神が示してくださるとの信念を、より深いものへと一新した」と述べた。

 共和党の候補指名争いではこれに先立ち、インディアナ(Indiana)州で行われた予備選でトランプ氏が大勝したことを受け、テッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員も撤退を表明していた。

 これにより指名獲得を確実としたトランプ氏は、米FOXニュース(Fox News)とのインタビューで、大統領選候補の指名争いをめぐり分裂状態に陥っている共和党を統一し、「人々を団結させる」と宣言。さらに、民主党での指名獲得が確実視されるヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏(68)に対し「ヒラリー・クリントンには勝てるだろう」と宣戦布告した。

 だが、世論調査でトランプ氏を「好ましくない」と回答した人の割合は、近現代の米大統領選候補のなかで最高水準となっている。さらに、同氏の激しい気性については共和党内でも懸念が持ち上がっている。

 米テレビCNNの最新調査によれば、クリントン氏の支持率は54%で、トランプ氏の41%を上回り、その差は昨年7月以降で最大に拡大。トランプ氏の行く手はまだ厳しいことを浮き彫りとしている。(c)AFP/Michael Mathes