【4月29日 AFP】自転車ロードレース選手のサイモン・イエーツ(Simon Yates、英国)から、3月に行われたパリ~ニース(Paris-Nice 2016)での薬物検査で違反が見つかったことが明らかになった。同選手の所属するオーストラリアのオリカ・グリーンエッジ(Orica GreenEDGE)は、ぜんそく治療中の「管理上の不手際」を理由に挙げている。

 英国自転車連盟(BC)は28日、国際自転車競技連合(UCI)から英国人選手の規則違反の可能性を指摘されていた。これを受けオリカ・グリーンエッジはその選手がイエーツで、違反薬物がテルブタリン(terbutaline)であると明かした。

 オリカ・グリーンエッジは、「薬物はぜんそくの吸入具としてサイモン・イエーツに手渡されたものです。これはチームドクターによってドーピング管理のための書類に記入され、検査時にはサインがされました。サイモン・イエーツの文書に記された、ぜんそくの継続治療のための薬物です」と声明を発表した。

 これによると、チームドクターが治療目的使用の適用措置(Therapeutic Use Exemption、TUE)の申請をし損なう、管理上の不手際があったとしている。

「TUEが受理されていない中でテルブタリンを使用したことが、陽性の分析結果の理由です。この件はもっぱら人為的なミスであり、問題のドクターが全責任を負います。サイモン・イエーツに過失はありません。この過失の全責任はチームが負うものです」

 オリカ・グリーンエッジはこの件を明確にするため、証拠を提出しているという。(c)AFP