【4月27日 AFP】ベルギー警察は、仏パリ(Paris)同時テロ事件の実行犯らをテロの最優先の要注意人物としてマークしていたにもかかわらず、資金不足から、同事件の前に内偵捜査を断念していたことが分かった。ベルギー議会の委員会に提出された公式報告書で26日、明らかになった。

 ベルギー議会の委員会は、昨年11月13日にパリで130人が死亡した事件以前におけるベルギー当局の捜査不備について検証を進めている。

 ベルギーの大手新聞社ル・ソワール(Le Soir)にリークされた同報告書の内容から、ベルギー連邦警察は、資金不足によって、パリ同時テロ事件の9か月前にサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者(26)とブラヒム・アブデスラム(Brahim Abdeslam)容疑者兄弟の追跡を断念していたことが明らかになった。

 サラ容疑者は、事件の実行犯グループ唯一の生存者で、欧州の最重要指名手配リストに挙げられながら4か月間逃亡を続け、3月18日にベルギー・ブリュッセル(Brussels)で身柄を拘束されている。

 兄のブラヒム容疑者は、パリで起きた一連のテロに参加し、バーの前で自爆して1人に重傷を負わせた。(c)AFP