【4月25日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は25日、訪問中のドイツ北部ハノーバー(Hanover)で演説し、移民危機や経済停滞、英国の欧州連合(EU)離脱議論などで揺れる欧州に対し、強固な団結を訴えた。

 オバマ大統領は、欧州で極右勢力が支持層を広げている状況について、20世紀の二つの世界大戦を引き合いに出して触れ「帝国勢力と非寛容、そして極端な国家主義によって、わずか30年の間にこの大陸と各地の都市は2度がれきと化した」と語り、「内向き」になることは欧州の問題解決にはならないと述べた。さらに「私たちの国々は、さまざまな背景や信仰を持つ人々を統合し、彼らに一体であると感じさせたときに、より強く安全で、いっそう繁栄するということを思い出してほしい。それにはイスラム教徒の市民も含まれる」と続けた。

 またシリア・イラク情勢から気候変動まで、多くの(国際)問題に立ち向かうためには、欧州諸国同士の連携だけではなく、米国と欧州の連携が必要だと強調し、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と戦っているシリアへは、地元部隊の訓練や支援のため最大250人の米軍の特殊部隊要員を増派する方針を表明した。(c)AFP