【4月18日 AFP】競泳の五輪金メダリスト、グラント・ハケット(Grant Hackett、オーストラリア)が、飛行機の中で、前方に座っていた男性の「胸元をまさぐった」として、警察の事情聴取を受けていたことが分かった。乗客によれば、ハケットは機内で飲酒していたように見えたという。

 35歳のハケットは、リオデジャネイロ五輪を目指して現役復帰したものの、先日の代表選考で落選したばかりだった。

 17日、格安航空ヴァージン・オーストラリア(Virgin Australia)のアデレード(Adelaide)発メルボルン(Melbourne)行きに搭乗していたというハケット。豪紙ヘラルド・サン(Herald Sun)によると、ビジネスクラスでハケットのすぐ前に座っていた男性が、座席を後方に倒したところ、ハケットがいきなり男性の胸元を「まさぐってつかんだ」という。

 同紙の中で男性は、「胸をまさぐられ、乳首をかなり強くつかまれた」と話している。

 オーストラリアンフットボール・リーグ(AFL)のチーム、コリンウッド・フットボール・クラブ(Collingwood Football Club)のゲーリー・パート(Gary Pert)最高経営責任者(CEO)は、たまたま同機に乗り合わせ、通路を挟んだ席から、問題の場面を見ていたという。

 パート氏は、地元ラジオ局3AWに対して「(ハケットは)興奮したり、怒ったりしている様子はなかった」と明かしている。

「前方の席に座っていた人が椅子をリクライニングしたら、グラントが前に倒れて、座席の間から腕を伸ばし、その人をトントンとたたこうとしているように見えた」

「彼はおそらく飲酒していて、フライト中はほとんど眠っているというか、気を失っていたと思うけど」

 オーストラリア連邦警察は、ハケットから事情を聞いたことは認めているものの、罪には問われないだろうとの見解を示しており、確認作業を続けていると声明を出した。

 ハケットと同選手のマネジメント会社は、いずれも本件に関するコメントを差し控えている。(c)AFP