【4月18日 AFP】17日に行われた15-16イタリア・セリエA第33節、ASローマ(AS Roma)対アタランタ(Atalanta)の一戦で、ローマの主将フランチェスコ・トッティ(Francesco Totti)とルチアーノ・スパレッティ(Luciano Spalletti)監督の間にある確執が再び表面化した。

 ローマは2-3で敗戦濃厚だった試合終了4分前、珍しく出場機会を与えられたトッティが同点ゴールを決めて引き分けに持ち込み、激しい打ち合いのなかで勝ち点1を獲得した。

 しかし、このゴールも両者の張り詰めた関係を解きほぐすものにはならなかったらしく、スパレッティ監督は報道陣に対し、「トッティは何も救っていない。結果をもたらし、われわれを救ったのはチームだ」と語った。

「チームが彼のおぜん立てした。そして彼がゴールを決め、われわれは試合を振り出しに戻した。彼はチームの一員で、自分の仕事をした。それはチームの全員がやるべき仕事だ」

 トッティは約2か月前の2016年2月に行われたテレビのインタビューで、監督は自分にもっと出場機会を与え、敬意を示すべきだと発言していたが、どうやらスパレッティ監督は、トッティの自己中心的な発言をまだ許していないようだ。

 トッティはローマ一筋で23シーズンを過ごしたクラブの象徴といえる選手で、本人は1年の契約延長を希望しているが、ジェームズ・パロッタ (James Pallotta)会長は同選手のフロント入りを希望しており、39歳の選手にオファーを提示することに乗り気ではない。

 ファンはトッティを支持しているが、スパレッティ監督はことあるごとにトッティが特別な選手ではないと主張している。この日の会見でも、スパレッティ監督はトッティのゴールよりも重要なことがあるとほのめかした。

「トッティならば今日のようなゴールを3年後にだって決めることができるだろう。しかしその裏で、日の光が当たらない事実というのもある。もう少しよく調べれば、君たちもそれがわかるはずだ」

 皮肉なことに、スパレッティ監督が前回ローマを率いた2005年から2009年にかけて、2人は親しい間柄として知られていた。トッティ は2007年と2008年にイタリア杯(Italian Cup)のトロフィーを掲げ、スパレッティ監督が退団する際には「ありがとうルチアーノ。できるなら、僕はあなたとともにキャリアに幕を下ろしたい」と惜別の言葉を寄せていた。

 それ以降、タイトルから遠ざかっているローマは、現在リーグ戦で首位ユベントス(Juventus)に勝ち点14差をつけられている。リーグ戦は残り5節。契約延長の話は聞こえてこず、トッティの願いは不本意な形で現実になってしまうかもしれない。(c)AFP/Justin DAVIS